情報を得る時に注意したい「バイアス」について

マメ知識

情報を得るにあたっては様々なバイアス=偏りが生じることがあります。

ここではそのほんの一部をご紹介します

出版バイアス

出版バイアスとは、ネガティブな研究結果はポジティブな結果よりも公表される可能性が低く、そのため、公表論文を集めるとポジティブな結果になりやすいことを言います。

ネガティブな研究結果が投稿されることは渋るでしょうし、論文を掲載する側も有効な治療法についての論文を好むという人間の心理によるバイアス(偏り)です。

研究結果の方向や統計的に有意か否かによって、研究が出版されるかどうかが決まる場合に発生します。有意差のない結果になった場合は論文として発表されない可能性が高くなりますが、有意差のある結果ばかりが発表されていると、偏った情報しか入ってこないことになります。

多数の小規模研究に基づいたシステマティックレビューは、その研究のスポンサーが研究結果に対して既得権益を持っている営利企業である場合に、特に出版バイアスの影響を受けやすいと言われています。

確証バイアス

確証バイアスとは、認知心理学や社会心理学における用語で、仮説や信念を検証する際にそれを支持する情報ばかりを集め、反証する情報を無視または集めようとしない傾向のことを言います。

認知バイアスの一種であり、その結果として稀な事象の起こる確率を過大評価しがちであることも知られています。

農業においては農薬のグリホサートやネオニコチノイド系について悪意のある偏った記事が散見されますが、特定のグループの情報だけを取り上げて良い記事を書いたと自己満足している記者が少なからずいることに留意したいところですね。

社会的望ましさによるバイアス

社会的容認バイアス、社会願望バイアスとも言います。

アンケートでよくありがちで、無意識or意識的に回答者が自分を良く見せるような回答をしてしまうものをいいます。

例えば、「妊婦に席を譲りますか」「拾った財布は警察に届けますか」というような質問をすると、実態よりも「はい」と答える人が多くなります。

人によって社会的望ましさに対する反応の程度か異なるため、バイアスを生じます。

ここでは3つ取り上げましたが、バイアスは他にもたくさんあるので調べて見ると面白いですよ。

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