日本の畑には様々な土壌性質があると思いますが、皆様の圃場にも石がよく出てくるところはありませんか?拾っても拾っても出てくる厄介な石。そのままにしておくとロータリーを痛めてしまう原因にもなりますので割と無視できません。
中には産業廃棄物が埋められていて、お風呂タイルの塊やバラした豚舎のトタンが出てきたりするトンデモ畑があるとかないとか。ずっと地中深く眠ってくれていればまだ良いのですが、どうやらブラジルナッツ効果という現象がヤツらを掘り出してしまうらしいのです。
ブラジルナッツ効果とは
粒状対流、即ちブラジルナッツ効果とは、異なる大きさの粉粒体に振動を与えると最も大きな粒子が表面に浮き上がってくる現象を言います。
ミックスナッツの中で最も大きいものがブラジルナッツらしくこのような呼称がついているみたいです。ちょっとかわいそうです。
この現象は、同じような密度で大きさの異なる粒からなる朝食のシリアルの箱の中でも見られることから、ミューズリー効果と呼ばれることもあるそうです。ミューズリーって何だ?と思ったのですがグラノーラに似たシリアル商品とのこと。確かに粒の大きいものが先に出てくる印象がありますね。
ブラジルナッツ効果のメカニズム(抜粋)
大きい粒子が上に上がってくる仕組みはいくつか説があるらしいのですが、圃場の石などで考えた時に最もしっくりくるのは次の内容ではないでしょうか。
まず小さな粒子が振動を受けると、大きな粒子の下に落ちることができます。それの繰り返しによって大きな粒子が上へ上へと上がっていくというものです。
土中には気相があり完全に固相で満たされているわけではありませんから、石などの形状にもよりますがその周りには少なからず空間ができます。
振動を受けると重力は畑全体の重心を下方向に移動するように働き、それは大きな粒子を上に動かすことのみ可能となります。重力は上にあがったものをその位置に保つようにも働きます。
なるほど、元からあるいは振動によってできた大きな粒子の周りの空間により小さい粒子が潜り込むことで大きな粒子が上へ押し上げられていくということのようです。
ここで一つ疑問が生まれます。畑ってそんな振動していましたでしょうか?側から見ただけでは地震でもなければ揺れているとは到底思えませんが…
大地は常に振動している
揺れているようです。大地は地震の時でなくても、自動車の通る道路脇や鉄道線路の脇、海の波や風に揺れる木々なども振動源になります。この地面が常に小さな振動をしている現象を「常時微動」といいます。
よくよく考えなくてもトラクターでロータリーをかければかなりの振動が地中に伝わっているはずですから、大地は常に振動に晒されていると見てよさそうです。人間が感知できないレベルの小さな地震も結構な頻度で観測されていますので、そういったものの積み重ねだと私は思っています。
産廃土で埋め立てた田んぼ転作地とかは最悪です。埋立た土の量にもよりますが膨大な体積の中からじわじわと石などが上がってくる悪夢…私のところでも2か所ほどこういった圃場があり困っています。
果てしない戦いが始まりますので、転作埋立の際は当事者がしっかり立ち会うことをおすすめします…。
今回はこの辺りで。ありがとうございました。
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