土にもいろいろな種類があります。手に取ると重たいもの、軽いもの、隙間の空いているもの、しっかり詰まっているもの、乾燥しているもの、湿っているものなどなど…。すなわち土は粘土、砂、有機物などの個体と、水分及び空気からなっているのです。「土壌の三相分布」とは、これらの性質を数値で表現するものです。
三相分布とは?
三相とは、固相・液相・気相のことを言い、固相は個体を、液相は水を、気相は空気を意味し、これら3つの体積の割合を三相分布と呼び、合計して100%になります。液相と気相を合わせて「孔隙(こうげき)」と言い、固相+孔隙=100%です。物理特性においては、土の硬さは固相の性質、排水性は孔隙の特に大きなもの、保水性は孔隙の非常に小さなもの、通気性は気相及び孔隙の特に大きなものに関係してきます。
固相割合が多いということはすなわち隙間がなく、透水性が悪いということになります。例えば固相の粘土質が顕著な土壌では、気相の割合が極端に小さく常に透水性が悪いということになります。
一口に「土」と行ってもそれを構成するものに3つの種類があることを念頭に置くことで、農業における土づくりと、水をどう捌いていくかが見えてきます。
望ましい三相分布とは
根の生育に望ましい三相分布は、固相、つまり土壌の性質により異なるので一概には言えません。また、播種や育苗、定植から収穫前など各ステージでも理想の三相分布は刻々と変わりますので、断定するのは困難と言えます。
土壌性質をある程度考えず大まかに言えば、
固相:液相:気相 = 40:30:30
が望ましいとされてはいます。
大切なのは、三相分布の割合ではなく液相つまり水分を如何に土壌でコントロールできるかにかかっています。土壌の性質を知り、液相の変化具合を把握することが理想的な農業を実現の第一歩となります。
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