今般話題のオーガニック。色々な誤情報や実態とズレたイメージが跋扈する中、インターネット上のオーガニックショップについて少し調べてみました。今回はその②です。
その①はこちら↓
トンデモ判定基準等のルールは上記記事を参考にしてください。それでは早速見ていきましょう。
⑥ さん・らいふ さん
トンデモ度【A】
農作物は、有機栽培や化学農薬化学肥料を使用せず栽培したもの。栽培技術の向上も含め、生産者は常に状況に応じた適切な判断を用い、病害虫に対応するよう努めていますが、近年の異常気象ではどうしても対応しきれない場合があります。その際は、有機農業(有機JAS)で認められている環境や人体への負荷が少ない農薬に限り、使用するようにしています。
しかし、果樹のように一度植え付けると、長きにわたり栽培が行われる作物には、化学農薬のように強力かつ薬効を持続させることができません。効果が弱いことから、樹勢は低下し、更には樹を枯らしてしまうことや、収穫すらできない状況にも陥ります。
このように「樹」の生死を左右するようなリスクを低減させるという理由から、果樹のような永年性作物に限り、特栽基準で化学農薬の使用を認めています。また土壌にはその土地に昔から住み慣れた土着菌・土着微生物の力を最大限に引き出すこと、そして有機質肥料を効果的に施すことで、「作物を健康に育てる」ということを大事にし、土と作物が持つ特有の栄養素や風味などを失いかねない化学肥料は使いません。
(HPリンク)
奈良県の慣行栽培における化学農薬の使用回数を引き合いに指す典型的な慣行貶し。樹体を残しつつ収穫し続ける果菜のナスを選んで比較している点が露骨。しかも使用回数0と表明しておきながら場合によっては化学農薬を使うという申し送りまであるあたり極めて不誠実な印象。
引用最後の「土と作物が持つ特有の栄養素や風味を失いかねない〜」というトンデモも見逃せない。有機JAS非認証でもちゃっかり有機と記載。
この手のサイトのいけないのは
・原則無農薬
→ だけど場合によって有機JAS農薬使用
→ だけど場合によって化学農薬使用
という「条件付無農薬」が横行している点。
「無」にこだわるのであれば徹底して欲しいものですが、この態様を見るにそれが如何に難しいかが伺えます。当然、トンデモ度はAです。
⑦ マミーズストア さん
トンデモ度【A】
化学肥料や化学農薬に頼らず、土壌が持つ本来の力を活かして栽培する農法やその農法で育てた農産物を指します。流通上、登録認定期間の認定を受けた農家や生産者が製作した食品には認定マーク(有機JAS)が付けられています。一方、有機JAS認定以上の厳しい条件で、一切の農薬や化学肥料を使わずに10年以上作物を育てていても、有機JAS認定のオーガニック食品を名乗る事は出来ない等の問題点もあります。
オーガニックマミーズストアでもJAS認定のオーガニック商品を取り扱っています。それはお客様の選択基準として、分かりやすく選んでいただくため。しかし実際有機JAS認定を取得する為には、毎日の農作業とは別に書類の整備、検査の受け入れ準備や定手数料など、実際の農場管理以外の負担が大きくなってしまいます。そのため、認定を取る為の労力・コスト負担を取るよりも、実際の食物に捧げる時間や労力を優先する方達がいます。
また何十年も前から工夫して有機栽培に取り組んできた農家さんの農産物が有機JAS認定を受けていない場合も多々あります。その様な状況の中オーガニックマミーズストアでは認証の有無に関わらず、生産者さんの考えと栽培方法を理解し、「有機JAS」表示ではなく、「無農薬・無化学・有機栽培」として本当においしい食材だけを取り扱っています。
(HPリンク)
有機JAS認証を受けずに有機栽培を謳って販売することの正当性を訴えているが、見当違いも甚だしい。こういったいわゆる似非オーガニックが有機JASの価値と信用を貶めることにつながる。
農薬や添加物に「汚染」されていない自然食を推奨している点からも、慣行栽培と農薬・添加物の適正利用、果ては量の概念に対する無理解があると言わざるを得ない。トンデモ度A。
⑧ ぶどうの木 さん
トンデモ度【ー】
私たちはJAS認証有機野菜の専門店です。私たちが「有機・オーガニック」と表示して販売する野菜や果物は、すべてJAS法で決められた基準で栽培されたり、加工されたりしたものです。
私たちは有機野菜の専門店です。認証を取得していない食べ物に「有機・オーガニック」と表示したり、「無農薬」「無化学肥料」などのあいまいな表示はしていません。有機JAS認証を取得したものだけを「有機」として販売しています。
私たちは有機JAS認証を取らない生産者さんや、取りたいけれど事情があって取れない生産者さんの食べ物も扱っています。その栽培方法は、有機JAS法に従って、「特別栽培」などと表記してご案内します。認証を取っていない食べ物に「有機・オーガニック」の名称はつけません。どうぞご安心ください。
(HPリンク)
かなり厳格な法令遵守を感じさせる信頼できるサイト。有機JAS以外に有機・オーガニックと表記することをしない等徹底した措置が講じられており誠実さは他の追随を許さない。正直言ってこれほどシビアにやっていて驚いた。こう言った誠実なサイトを応援したいところです。
⑨ こだわりや さん
トンデモ度【C】
化学的な農薬や肥料・合成添加物などを極力含まない、主に国内産原料の食品、日本産、外国産オーガニック食品を扱う専門店です。
「環境にも身体にもやさしい」「次世代へつなぐ」「おいしい」旬を大切に太陽・土・大地・空気・水など自然の力を借り、時間と手間を惜しまず、丁寧に作り上げた逸品、作り手とみなさまをつなぐ役をいたします。
(HPリンク)
身体にも優しいという表現以外はあまり目立ったトンデモは見当たらないものの販売されている「野菜セット」に有機JASであることの記載がないのが気になる。写真では有機JASマークのラベルが貼られたものが写っているが一抹の不安を覚える。梅についても有機と謳うが有機JAS認証は見当たらない。消費者にとって判断基準にもなるロゴマークの表記までこだわって欲しいところ。トンデモ度はC。
⑩ 秋川牧園 さん
トンデモ度【A】
秋川牧園の安心野菜の基準
継続的に化学農薬、化学肥料を使用しない野菜であること。
または、有機栽培の基準を満たした有機野菜であること。
自然の条件下で栽培した野菜であること。(ハウスを加温した野菜の栽培はしません。)
野菜の出荷基準を設け、農薬不使用であっても外観、規格を配慮した野菜であること。
病害虫対策として使用する資材は、秋川牧園で認定したものであること。
生産管理要綱を定め、栽培時農薬不使用・無化学肥料栽培を行う生産者を認定し管理。
定期的に野菜の放射能検査を実施しています。
定期的な残留農薬検査を実施
(HPリンク)
「口に入るものは間違ってはいけない」というスローガンには共感できるが、紹介動画にて畜産に使用される配合飼料について「結局おかしなものを食べさせたらいかんのですよ」と言及していたのは疑問。
また、「有機栽培の基準を満たした有機野菜であること」という条件が基準にあるが有機JAS規格に乗っ取ったものか判然とせず、販売している野菜にも有機JAS認証マークは見当たらない。「自然の条件下で栽培した野菜であること」という基準も極めて曖昧で科学的にどのように説明するのか疑問。
「減農薬=安全とは言い切れない」「農薬の使用回数が慣行の半分だからといって安全とは限らない」等、農薬を適切に使用した慣行農業に対する誤認識が散見される。トンデモ度はA。
まとめ
いかがでしたでしょうか。第2回を終えて70%がトンデモ度A。眩暈のしてくる有様ですがその中でも真面目に運営しているサイトもあり、大変頼もしく感じました。
ヨーロッパやアメリカではオーガニック詐欺、つまり定められた条件で栽培されていない農産物をオーガニックと偽って販売して摘発されるニュースが散見されます。それだけ慣行のものと判別ができない、差の乏しいが故に好き放題言えてしまう現状があります。
もし、オーガニックを生活に取り入れたいのであれば、ウソの混ざっているところから買いたくはないですよね。この記事がその判断の一助となれば幸いです。
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